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ニカラグアコーヒー生産者                                         オルマン氏・初来静《Vol.2公開講座編》

10月23日(金)、ニカラグアのコーヒー生産者
オルマン・バジャダレスさんを迎えて、
静岡市歴史博物館で《公開講座》を開催しました。


ありがたいことに、一般の方々をはじめ、
コーヒーやお茶に携わる飲食店オーナー、
農業関係者など、あわせて40人以上の
皆さまにお集まりいただきました。

遠く離れた中米ニカラグア北部の山岳都市・
オコタルの産地から、
ここ静岡、私たちの手元に一杯のコーヒーが届くまで。

農園の歩んできた歴史や品質への挑戦、
そしてコーヒーづくりを通して大切にしてきた想いや信念について。

オルマンさんご自身と、
長年その歩みに伴走してきた商社の香坂さんの言葉から、
その道のりと熱意が伝わってくる貴重な時間となりました。



◯ 一人の収穫労働者から始まった、農園の歴史

オルマンさんが営む《ブエノスアイレス・グループ》は、
およそ60年の歴史を持つ、家族経営のコーヒー農園。

その始まりは、ホンジュラスの農園で
一人の収穫労働者(ピッカー)として
働いていたお父さまの時代に遡ります。

内戦などの影響を受けニカラグアへ移り住み、
国境近くの小さな土地にコーヒーの木を植えたことが、
今につながる農園の原点でした。

長い年月をかけて農園を育て、
息子たちを大学まで送り出したお父さま。

法律を学んだオルマンさんは、2002年から家業に携わり、
現場を取り仕切る心強い弟さんの存在と共に、その志を受け継いでいきます。


◯ 生産者の努力が、正当に評価される世界へ

2000年代初頭、
世界的なコーヒー価格の低迷によって、
農園で働く人々の賃金をまかなうことさえ
難しい時代がありました。

そんな状況を変える転機となったのが、
「スペシャルティコーヒー」への挑戦と、
国際品評会《Cup of Excellence(COE)》との出会いでした。

COEは、コーヒーの香りや味わい、個性を
国際的な、消費者目線の基準で評価し、
その品質にふさわしい価格での取引へとつなげる仕組み。
生産者が品質向上のために重ねた努力が、
世界から正当に評価されるという意味でも
とても重要な機会です。

2006年には、初めてCOEで入賞。
その評価は、自分たちのコーヒーづくりへの、
大きな確信となりました。

そして2015年には、ついに優勝。

その後も研究と挑戦を積み重ね、
なんと今年、3度目のCOEの頂点に輝きました。



◯ 一杯の味わいを生み出す、絶え間ない研究と挑戦

美味しいコーヒーをつくるためには、
品種や土壌、気候、果実の熟度、精製方法など、
実に多くの要件が関わってきます。

オルマンさんたちは従来の方法にとらわれず、
発酵過程での糖度やpHの測定など、新たな精製技術を研究し検証を重ね、
コーヒーの持つ個性を最大限に引き出すことに挑み続けています。

今回COE第1位を獲得したのは、
華やかな香りと個性を持つゲイシャ種のコーヒー。
ジャスミンやピンクローズを思わせる香りを目指し、
試行錯誤を重ね生み出された特別なロットです。

「良いものをつくり続けることは、難しい」

一度きりの受賞ではなく、
継続して評価され続けてきた
オルマンさんが発した言葉だからこそ、
より重みと深さを感じる一言でした。


◯ 変化する生産環境と、未来への課題

一方、コーヒーの生産現場は今、
気候変動による異常気象や労働者不足、
生産コストの上昇など、さまざまな課題にも直面しています。

多くの人の手と労力、細やかな技術を必要とするコーヒーづくり。
その品質を維持するには、
農園で働く人々が仕事に誇りと意欲を持てる
環境づくりも欠かせません。
オルマンさんたちは、学校の設置や医療提供など、働く人たちのサポートにも熱心に取り組んでいます。

さまざまな困難について語りながらも、

「でも皆さん、心配しないでください。
これからも美味しいコーヒーをつくるために、私たちは努力し続けます」

そう力強く伝えてくれたオルマンさんに、
会場からは拍手が湧き起こりました。


◯ 良いコーヒーをつくり続ける、その根底にあるもの

講座の中で、
「コーヒーづくりで、最も大切にしているものは?」
という質問があがりました。

少し考えてオルマンさんから返ってきたのは
意外にも、品質や技術のことではありませんでした。
「農園で働く人たち、そして自分たちのコーヒーを信じて買い続けてくれる人々との、
素晴らしい繋がりや関係を保ち続けていくこと。」


世界的に名が知られ、
オファーが数多く寄せられる農園となった今も、
一度きりで途切れる関係性ではなく、
継続して信頼を育んできた相手との関係を
何よりも大切におもう。
そうした関係こそが、良いコーヒーをつくり続けることに繋がっていく———

私たちhugcoffeeが
大切にしてきたおもいとも重なり、
互いに共鳴し合いながら歩んでいたことに
感慨深くなりました。

人とひとの出会いや関係は、
私たちの人生の中で織り上げられる
一枚のタペストリーのようだなぁと
おもいます。

出会った当初、
その糸の先でどんな景色が待っているかなど
想像もしていませんでした。

一杯のコーヒーを通して、
長い時間をかけ紡いできた関係が
今回の来静で私たちに見せてくれた、
こんなにも美しい景色。

その眺めを、関わる方々や
地域の皆さまとともに分かち合えたことを、
とても嬉しく思います。

最後に託されたカップ一杯の中に詰まった、
ニカラグアの風景や物語、造り手の想いを
温かく、皆さまの手元にまで
お届けすることができるように。

hugcoffeeのそれぞれのお店で、
皆さまとお会いできる日を
心待ちにしております。






This is a beautiful scene,
a beautiful connection in my life…

_____私の人生における、なんて美しい繋がりと光景だろう…


✍️レポート
hugcoffee静岡市歴史博物館店
清澤沙友里

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