NEWS&topics

私がハグで働く理由 Vol.2 ゆかこ

カフェという空間が昔から好きでした。
大学時代は原宿にあるカフェソラーレでアルバイトをしていて、face to faceでお客さんと関われる接客業は自分に合っているな、と感じていました。

大学卒業後は化粧品の販売職に就きましたが、どこかでずっと、日本ならではの“空気を読む”ような人間関係に息苦しさを感じていました。
そんなモヤモヤを抱えていた時期に「もういっそ、海外で自由に働いてみたい」と本気で考えていたんです。

 

そのころ、たまたま出会ったのがハグコーヒーでした。
最初はただのお客さんとして通っていて、正直コーヒーに詳しかったわけでも、特別好きだったわけでもありません。
むしろ、コーヒーというより、カフェでゆっくりする時間が好きだったくらい。

でも、通ううちにどんどんハグの空気に惹かれていきました。
初めて行ったときは、今以上に“個性のかたまり”みたいな人たちばかりで、正直ちょっと緊張したのを覚えています。
公務員からアーティスト、DJ、イラストレーター、作家、職人、ダンサー…いろんな肩書きの人が出入りしていて、「自分がここにいていいのかな?」って。
でも不思議と、行けば誰かしらがいて、暇しない。そんな刺激的であたたかい場所でした。

気づけば、現社長のりゅうさんとたいしさんに声をかけてもらい、「ここで働いてみたい」と自然に思うようになっていました。
当時はまだ1店舗しかなかったけど、なぜか「このお店は絶対もっと大きくなる」と確信していたんです。
それに、ただの“飲食店”の枠に収まらない、ハグのあり方にも惹かれていました。

 

飲食って、裏側は汚くて、お客さんに見せちゃいけないもの…そんな先入観があったんです。
でもハグは真逆で、カウンターの中も作業も全部オープン。
作り方を聞けば「こうやるんだよ」と教えてくれるし、なによりその姿勢がとても信頼できると感じました。
「飲食って、もっと自由で、もっと開かれてていいんだ」
そんなふうに、自分の中の価値観が変わっていったんです。

働き始めてからは、まずバリスタとしての経験を積みました。
そこから徐々にコーヒーそのものへの興味が深まり、今では焙煎や豆の仕入れ、トレーニングにも関わっています。
現場でバリスタとしてお客さまに接しながら、裏側でコーヒーのクオリティやチームの成長にも関わる。そんな立ち位置です。

やりがいを感じる瞬間はたくさんあります。
「美味しい!」と言ってもらえたり、飲んだ瞬間にふっと笑顔になってくれたり。
自分のコーヒーが、誰かの「コーヒー好き」のきっかけになれたときは、本当にうれしいです。
そして、思い通りに焙煎できたとき。豆の個性をしっかり引き出せたな、と思える瞬間もまた格別です。

 

でももちろん、難しさもある。
コーヒー豆は毎日状態が変わるし、湿度や気温、季節、収穫年、焙煎のたった1℃の差で、味は大きく変わってしまいます。
毎日同じようにやっても、まったく同じにはならない。だからこそ奥が深くて面白いとも言えるんです。

 

私が伝えたいのは、「コーヒーって全部同じじゃないよ」ということ。
農園や品種、精製方法、焙煎で全然違う味になるし、それぞれにちゃんと個性がある。
その違いに気づく楽しさを、もっと多くの人に知ってもらいたい。

自分が焙煎したコーヒーが、誰かにとっての「好きなコーヒー」になる。
そんな出会いのきっかけをつくれることが、今の私のモチベーションです。

SHARE

前の記事 次の記事