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【ニカラグアのキーマンに話を聞いてみた】

コーヒーの生産国の一つである
中米ニカラグア

2020年にハグコーヒーが訪れた
ニカラグア・ブエノスアイレス農園はEmilioとOlman のValladarez Familyが経営している

今回はるばるニカラグアからOlmanが来日。
その貴重な機会に今回は兼ねてより交流のある"マヌコーヒー(福岡)"にてカッピング会とその後に話を聞くことができた。



わたしたちハグコーヒーは焙煎当初よりOlmanの農園のコーヒー豆を買い付けている

彼は多くの農園を抱えながらも素晴らしい風味と安定した品質を同時に叶えているところ

その証拠に世界審査員が参加する栄誉あるCOE(カップオブエクセレンス)と呼ばれる品評会にて何度も賞をとってきた
高いクオリティのコーヒー豆をどのように作り続けているのか、その所以をOlmanに聞いてみた



Olmanの農園では
コーヒーチェリーを加工する上で以下の数値を1時間おきに記録している

温度/糖度/タンク内圧力/ミューシレージ除去率/アルコール数値/ph



気候的現象はわたしたちには変えられない

とOlmanは言う。
その年、その時の気象状況に応じて生産者側が対応するしかない。
誤差を最小限に抑え、よりよい味を追求するためのデータ管理
そして、品種による味の傾向と生産処理による数値をコントロールをすることで甘さや酸質、風味を焙煎士がわがままにオーダーした味になるよう、仕上げていく。

国際審査員によるコーヒーの品評会=COEに出続けるその姿勢にも高い品質を生み続ける所以が伺える

何年も出続けているCOE(カップオブエクセレンス)の品評会は
もともとはプロモーションのためだったという。
上位に入れば10倍以上もの高値でオークションで売れるからだ
だが今の目的は違うようである

彼の中でCOEで結果を残すということは
継続して品質管理をしているという確証を既存の契約者にアピールして、安心して購入してもらうこと

だがこんなにも賞を取り続けているOlmanにも不安がある

人手不足の深刻化とリターンの不明瞭さ

人手不足の原因となっているのはコーヒーでは稼げないこと

ピッカーはより賃金の高いアメリカに出稼ぎに行ってしまう

コーヒーがいくらで売れるかわからない…その不明瞭さも人手不足に拍車をかけている

500ヘクタールの敷地でチェリーを収穫する従業員の数はなんと1200人
そのうちの800人のピッカーたちはOlmanの農園から朝昼晩と食事が支給されている

全員の給料、そして800人の食事代など全てを賄うにはまだまだ足りないのが現実

彼はすでに農園を縮小せざるを得ない将来を見据えていた

そんな話をしたあと
Olmanは嬉しいそうに私たちの顔を一人一人見ながらこう続ける

契約してくれるあなた方のおかげでいいものを作り続けることができている
正しく評価してフィードバックをしてくれることが農園の今後のためになる。何がダメでどのように改善するべきか、それが品質向上に繋がる
その関係性が重要であると。

ピッカーからロースターまで
ひとつの家族としてWIN-WINな関係性を築くこと
Olmanの掲げる目標はずっと変わらない



では私たちに何が求められているのか

届いたコーヒーに対して正しいものさしで正しい評価をし、コーヒーの品質を向上させるための努力を怠らないこと

わたしたちの扱い方でコーヒーは良くも悪くもなる
美味しい素材を美味しく提供できて消費者が美味しいと思うこと

美味しいコーヒー豆はぜひとも手に入れて欲しい。その目に見える評価が次の美味しいコーヒーの出会いに繋がるかもしれない

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